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2018-08-14

排灣族(パイワン族)と猛毒蛇

こんにちは!
「台湾エスニック雑貨店」店長です。

今回は、この雑貨店を開くきっかけとなってくれたパイワン族について、お話しようと思います。

パイワン族は、現在政府が認定している16民族の中で、アミ族に次ぐ2番目に人口の多い民族です。台湾南部に多く分布していて、屏東の「大武山」が彼らのルーツと言われていています。

パイワン族の社会には、「頭目」「貴族」「勇士」「平民」という4段階の階層があり、長男(あるいは長女)が親の地位や財産を受け継ぐ世襲制です。

以前は、地主が税を徴収する権利があり、衣服や住宅に施す紋様も階級によって決められていたそうですが、現在ではそういった制度は見られなくなっています。ですが、身分の高い人を敬うという意識は、今でも残されています。

パイワン族にとって、「百歩蛇(ひゃっぽだ)」というヘビは、とても重要な存在です。噛まれてしまったら百歩も歩かないうちに死に至るといわれている猛毒のヘビです。もし遭遇してしまったら、一目散に逃げてください!!ですが彼らは、このヘビをご先祖様と崇め、その神話はそれぞれの集落で今も語り継がれています。

ヘビのタマゴから人が生まれ、この人がパイワン族の祖先となったという話…

竹の中からヘビが生まれ、そのヘビが人になり祖先となったという話…

頭目の娘がヘビが百歩蛇と結婚したという話…などなど。

百歩蛇は、頭目家の権威の象徴とされ、民族衣装や家の外壁など、頭目家のみが使うことを許される紋様でした。横から見ると三角、上から見ると菱形に見える百歩蛇の紋様ですが、刺繍糸の配色やその図柄にも、階級の格付けがあったそうです。

刺繍のお話が出てきましたが、パイワン族は手先が器用で台湾原住民の中でも、最も工芸に長けた民族でもあります。陶壺、琉璃珠(とんぼ玉)、青銅刀の3つは「パイワン三宝」と呼ばれていて、集落のあちらこちらに職人さんの工房があります。

なかでも彼らのとんぼ玉は、私がこの雑貨店をオープンしようと思ったきっかけでもあります。強く尊いものを引き付ける力があると信じられているとんぼ玉にも、刺繍や彫刻作品と同様、紋様の一つひとつの意味があり、何か特別なパワーを感じずにはいられません。

……と、ここまでパイワン族について、大まかにご紹介させていただきましたが、繊細で華やかな彼らの民族衣装のことや、歴史や文化のことなどなど、まだまだ知らないことがいっぱいです。これからも地道に理解を深め、発信していけたらと思っていますので、どうぞ気長にお待ちくださいませ~。

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