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2018-08-22

鄒族(ツォウ族)の神聖な寄り合い所

こんにちは!

「台湾エスニック雑貨店」店長です。

今回は、ツォウ族にまつわるお話と、「庫巴(クバ)」という彼らの伝統的な寄り合い所についてお話しようと思います。

ツォウ族は、阿里山と南投県の信義郷に居住している民族です。そのなかでも阿里山にある「達邦」と、そのお隣の「特富野」という二大集落は、ツォウ族の起源とも言えるとても大切な場所です。台湾で最も標高が高い「玉山」に降臨した人類創造の神「哈莫(ハモ)」の最初の足跡が「特富野」にあり、ふたつ目の足跡が「達邦」にあると言う伝説が受け継がれているそうなのです。

そして「達邦」には、高床式で大きなかやぶき屋根をかぶった「庫巴(クバ)」という伝統的な建物があり、ふたつの集落が寄り合い場所として、また憩いの場所としてここを利用しています。

途中立ち寄ったマーケットで買った、ビーポーレン(ミツバチの花粉)にもこのクバが描かれていました。

「男子の集会所」とも呼ばれているクバは、神聖な場所なのでツォウ族の男子以外、足をふみ入れることを禁じられています。集落の決め事は各氏族の長老がここに集まり、話し合いによって取り決められるそうです。

また、クバはお祭りを執り行う重要な場所でもあります。三大祭儀のひとつに挙げられる「戦祭(マヤスビ)」は、かつて戦に出陣する勇士たちが、戦の神様からパワーを授かるために行われていた儀式。現在では、伝統を継承するために毎年行われている行事で、国家級重要民俗にも指定されています。クバのすぐそばには、儀式の時に神様がはしごとして使う「雀榕」という木もありました。

ツォウ族の衣装といえば、赤い色とか子安貝といったイメージが私にはあります。

こちらのブタの丸焼きを豪快にさばく写真は、同じく達邦にある「鄒族自然與人文中心」の展示より。

狩猟に長けた民族ゆえ、男性が見につける鹿や羊、キョンなどの皮を使った帽子や靴などの皮製品のほか、籐のカゴなどの工芸品が知られています。

お茶のイメージが強い阿里山ですが、実は良質なコーヒー豆の産地としても有名なのです。山道を歩いている途中、コーヒーの木がうっそうと茂る農園も通りかかりました。

風光明媚な阿里山で、ぜひともご当地コーヒーを味わってみたかったのですが、残念ながら今回はチャンスにありつけず……。次回来るときの楽しみにしておきます。

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