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2021-08-08

島で暮らす原住民、達悟族(タオ族)と船の眼ペンダント

こんにちは!

「台湾エスニック雑貨店」店長です。

最近アクセサリーの入荷がすっかり滞っていましたが、この度新商品が入荷しました!

台湾の南東に位置する蘭嶼(ランユー)からやってきた「船の眼ペンダント」です。

蘭嶼で暮らす達悟族(タオ族)は、台湾原住民の中で唯一海で暮らす民族です。

今回は、この美しい島の魅力や、タオ族の文化、それにペンダントの文様にまつわるお話をご紹介します。

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神秘の島、人の島、蘭嶼

蘭嶼は台湾本島の南東部から約60㎞ほどのところに位置する神秘的な島で、自転車なら約3時間半で一周できるくらいの大きさです。

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火山噴火のマグマによって形成されたため、起伏に富んだ地形で多くの奇岩が点在していることでも知られています。

タオ族に受け継がれる神話の中で「竹生人と石生人」というお話があります。

この2人は神様の遣いで、この美しい島を守るために様々なルールをつくり、この島をボンソノタオと名づけました。これはタオ族の言葉で「人の島」を意味します。

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島には6つの集落があり、そのうちふたつには伝統的な住居が今でも残されています。

この伝統的な住居はとても興味深いもので、住居と住居の間に塀や柵はなく、地面を掘り下げ半地下に建てられています。

一見、屋根が地面にのっかっているように見えますが、これは頻繁に到来する台風の被害を最小限に留める働きがあるそうです。

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蘭嶼へのアクセス方法は船か飛行機になります。

台東から飛行機を利用する場合は約30分、フェリーならば台東富岡漁港から約2時間半ほどでアクセスすることができます。

海で暮らす原住民、達悟族(タオ族)とは…

島の住民はというと、ほとんどの人が農耕と漁業で生計を立てて暮らしています。

ここで暮らす達悟族(タオ族)の人々は、台湾原住民の中で唯一島で暮らす民族でありヤミ族とも呼ばれています。

彼らの主食は「イバンバン」と呼ばれるトビウオです。

トビウオは昔から神様の贈り物と信じられている特別な魚で、毎年トビウオの群れがやってくる3月~7月頃には「飛魚祭」が数回に分けて行われます。

お祭りのような正式な場では、タオ族の男性たちは伝統衣装であるふんどしをしめ頭には鉄製の兜をかぶります。

そして祭りの間中、女性は立ち入ることができません。

こちらは以前、国立台湾歴史博物館に展示してあったタオ族の兜です。

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そしてお祭りで主役となるのが拼板舟(チヌリクラン)と呼ばれるカヌーのような形をした船です。

タオ族にとって船は生きるための重要な道具であり大切な財産です。

チヌリクランにはタオ族を象徴する文様がほどこされていますが、今回雑貨店に入荷した「船の眼ペンダント」はまさにこの文様をモチーフにしています。

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タオ族の神話を読んでいると、「ルール」や「タブー」という言葉がよく登場します。

蘭嶼ではこの島の美しさを守るため、そして人々が平和に暮らすため、様々なルールが設けられ受け継がれてきました。

ほとんどの台湾原住民の間で行われていた首狩りの習慣が、タオ族においてはなかったことからも、この島がその「ルール」により長年平和であったことがわかります。

なのでもしこの島を訪れる際は、写真を撮ったり船などの所有物に触ったする前に必ず彼らの許可をとるようにしましょう。

彼らの土地では彼らの「ルール」を犯していないかを確認する…これは全ての原住民の集落におけるマナーであり、店長からのお願いでもあります。

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さて、今度はタオ族のルーツについてお話します。

諸説ありますが、タオ族はおそらくフィリピンをルーツとする民族で、もともと台湾に居住していた民族ではないのではないかと言われています。

しかしフィリピンの原住民も、逆に台湾をルーツとしている可能性もあるので「出戻り」になるのかもしれません。

タオ族は台湾原住民族で唯一、金属の工芸品をつくる民族です。

先ほどの国立台湾歴史博物館に展示されてあった兜の隣には、銀工芸も展示されていました。

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しかし蘭嶼島では貴金属を採取することはできません。

古文書によれば、蘭嶼島と台湾島の南に位置するバタン島の間では、古くからから貴金属の取引があったとされています。

しかしその取引についても、中国もしくは日本と取引したという説や、貴金属を乗せた船が蘭嶼島の近くで難破して手に入ったという説などもあります。

いづれにせよ、タオ族の工芸品づくりの文化は古くから受け継がれてきたことにまちがいありません。

達墨克手作」の船の眼ペンダントが入荷しました!

さて、ここからは台湾エスニック雑貨店に近日入荷しました、タオ族の船の眼ペンダントについてお話しします。

このペンダントは蘭嶼で活動する「達墨克手作」によるハンドメイド作品で、ペンダントトップの部分は陶器で作られています。

タオ族は台湾原住民の中でも陶器づくりを続けている数少ない民族であり、毎年トビウオの季節が終わる頃が、陶器を焼くのに最も適したpitanatana(製陶月)になるのだそうです。

先ほど、神話の中で「ルール」や「タブー」という言葉がよく出てくるというお話をしましたが、この陶器づくりにおいても男性のみが陶器づくりを許されるというルールが存在します。

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ペンダントのモチーフは、拼板舟(チヌリクラン)に描かれたタオ族の象徴である「船の眼」です。

まるで太陽のようなこのマークは、航路を照らし人々が無事帰路に就けるよう導く役割をしています。

人生もまた広大な海に漂う船とよく似ています。

「船の眼ペンダント」はお守りとして身に着けることで、人生の迷子にならないよう導いてくれることでしょう。

ペンダントのカラーは全5色あり、釉薬でコーティングされているため傷つきにくく変色の心配もありません。

商品のサイズやバリエーションは「台湾エスニック雑貨店」の商品ページをご覧ください。

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