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2020-11-27

【本日のエスニック食材】生のローゼルを買ってみた話

こんにちは!
「台湾エスニック雑貨店」店長です。

店長が住む台南もここ最近、朝晩だいぶ気温が下がり、過ごしやすい季節がやってきました。この季節になると、市場に並び始めるローゼルという名のルビー色の植物。鹿野や卑南、延平、太麻里、金峰といった原住民の暮らす地域などで、生産が盛んに行われています。今日はそのローゼルを買ってみたというお話です。

そもそもローゼルとは…?

「ローゼル」とは、別名ロゼリ草やレモネードブッシュなどとも呼ばれる植物で、中国語では洛神花(ルォーセンホァー)と発音します。ハイビスカスと訳されることもありますが、南国といって思い浮かぶあの赤い花のハイビスカスとは少し違い、こちらのローゼルは食用で、白い花が咲くのが特徴です。そして、実際にはお花の部分ではなく、ガクの部分を食べます。

主に亜熱帯地方に生息する植物で、台湾では鹿野や卑南、延平、太麻里、金峰など原住民が暮らす山間の地域で盛んに栽培がおこなわれているほか、日本でも栽培がおこなわれているそうです。

その濃いルビー色が、天然の着色料としても使用されるローゼルですが、アントシアニジン、フラボノイド、ポリフェノールをなどの栄養素を豊富に含み、ありがたいことに肌荒れやデトックス、疲れ目などに効果があるといううれしい植物なのです。特に女性にとっては気になる効能がいっぱいですが、ローゼルには身体を冷やす作用もあるので、妊婦さんや生理中、授乳期にはあまりおすすめできません。

市場で見つけてきたローゼル

ローゼルのシーズンは、ちょうど今頃の秋から冬にかけてです。近所の朝市でも真っ赤なローゼルを売るお店を見かけるようになりました。だいたい1斤(600g)50元ほどで、ひとつひとつがとても軽いので50元でこんなにどっさり買えました。数えてみるとちょうど50個ありました。…ということはひとつ1元という計算です!!

ローゼルを買ったお店では、大ぶりタイプと小ぶりタイプがあったのですが、写真は大きめの方です。煮だして何かの色付けに使ったり、ドライローゼルにする場合は、小ぶりでも問題ないのですが、ローゼル自体を食べる場合は、大ぶりの方がいいそうです。

食べるか飲むか…ローゼルよ…

さて買ってきたはいいものの…、何をどうしていいのやら…。ローゼルの食べ方と言ったら、台湾では「蜜錢」がいちばんポピュラーなのではないかと思います。蜜錢(ミージェン)とは、フルーツの砂糖(もしくはシロップ)漬けのことで、お茶好き台湾人は、よくこの蜜錢をお茶請けにしたりします。ちなみにローゼルはフルーツの仲間ではなく、野菜の仲間に入るそうなのですが、ローゼルの蜜錢は台湾でよく売られています。

蜜錢を作る場合も、ジャムやドライローゼルを作る場合も、まずガクの中に入っている緑色の種の分を取り出さなければなりません。それをよく洗って、さらに5秒くらい湯通しすると雑菌もとれて安心ですが、この湯通しの時点でお湯がパッと殺人事件の色になります。今回は、そのローゼルの食用部分に対し、半分くらいの氷砂糖とレモン汁をちょっと入れて3日ほど、冷蔵庫で放置してみました。

そして待つこと3日…。

そのまま食べてもおいしかったのですが、量がたくさんあったので水&蜂蜜を加えて、オリジナルローゼルティーを作ってみました。

一見、アセロラドリンクのような見ためですが、アセロラほど酸っぱくはなく、さっぱりしていて思ったよりもうまくいきました。着色料として使われるだけあり、色がとてもきれいなので、小さな型に入れ凍らせて賢者の石(by鋼の錬金術師)を作ってみたり…ひそかにそんな楽しみ方もしてみました。

後日、今度はドライローゼルを煮だして、同じく蜂蜜プラス!というのもやってみたのですが、こちらも蜜錢のローゼルティーとそれほど変わりはありません。ドライの方は保存がきくので、急いで使わなくては!というプレッシャーがない分いいかもしれません。

ローゼルの時期になると、ドリンクスタンドやお菓子屋さんなどでも、ローゼル関係の商品が登場したりします。こちらはローゼルがゴロっと入った食パン。ついうれしくて買ってしまいました。

季節のエスニックな食材…、引き続き探していこうと思います。

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