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2018-11-17

ルカイ族の住む「霧台」は石板家屋がならぶスピリチュアルな世界

こんにちは!

「台湾エスニック雑貨店」店長です。

以前「三地門」を旅したとき、タクシーの運転手さんに、ここは絶対に行くべき!と強くおすすめされたのが、「三地門」からさらに奥へ奥へと入ったところにある「霧台」でした。それを聞いてからというもの「霧台」が気になって気になって……。そしてついに、先日行ってみたので、今回はそのお話です。うわさ通り、ルカイ族の文化が息づく空気がとてもキレイな場所でした。

「霧台」へのアクセス方法

屏東県にある霧台郷は台東県との県境に面する、屏東で最も標高が高い郷です。「三地門」から24号線を通ってず~と入っていきますが、そのまま行くと行き止まりになるそうなので、その他の行き方は無いのではないかな…と思います。

バスで行く場合は、屏東駅から「8233」番の(小さな)バスで行くことができますが、1日3本と本数は少ないので、乗り遅れないよう注意が必要です。

そして山中、入山申請を行う場所を通ります。名前や電話番号などを書く簡単な申請ですが、パスポートなど身分を証明するものが必要になるので携帯していきましょう。

ルカイ族が暮らす村

ルカイ族の住む村として知られる「霧台郷」には、佳暮、大武、吉露、阿禮、好茶、そして霧台と6つの村があります。その中でも、今回は、「霧台」バス停を降りたあたりの芸術村エリアを散策してみました。街のいたる所にカラフルなペイントがあったり、民族衣装を着た住民が、バイクで駆け抜けていく日常を目にすることができます。店長が訪れたときは、台湾統一地方選挙を目前に控えていることもあり、候補者たちのポスターやフラッグが、あちこちに飾られていました。その候補者たちも、自分たちの勝負服である民族衣装や装飾品を身にまとい参戦する様子が、他の都市とは違い、新鮮に感じられました。

この芸術村あたりの、見どころをいくつかご紹介します。

原住民テイストがコラボした「基督長老教会」

遠くからも目を引く「基督長老教会」は、ほかでは見ることのできない、独特なデザインですよね。ルカイ族に限らず原住民のキリスト教徒率はかなり高く、中でもプロテスタントを意味する「基督」の「長老派教会」は最も多く、それに関連する病院や学校も台湾各地に数多くあります。霧台のアーティストとして知られる杜巴男さんによって設計されたこの教会は、入り口が洞窟のようになっていて、そのうえではルカイ族の人々が力を合わせ、何かを造りあげようとしている姿が見えます。館内もさぞかし…と興味深々だったのですが、この日中に入ることはできませんでした。

霧台基督長老教会*屏東縣霧台鄉霧台村9鄰中山巷76號

先人の知恵がつまった石板家屋

「石板巷」というストリートには、ルカイ族の伝統家屋である石板の家がずらりと並んでいます。平べったく切りだした石を、うまく積み重ねて造りだされる、ちょっとシックな雰囲気の家屋ですが、接着剤となるコンクリートや釘は一切使われていないそうです。窓や玄関があるのにどうして倒れないのでしょうか?

後日、何となく読んだ子供向けの雑誌に書いてあったのですが、この家屋の骨となっているのは木の梁だそうです。その梁に木の板をはり、それから石を積み重ねて造られるそうですが、その積み方にもルールがあり、縦、横と交互に向きを変えて積んでいくそうです。また、石には、硬い公岩(男の石)と軟らかい母岩(女の石)があり、それらを色や質感で見分け、用途によって使い分けをするそうです。石は呼吸をするので、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができ、かまどによって燻された木の梁には、虫が付かないと言います。先人の知恵がいっぱい詰まった家屋なんですね。

通りにある石碑には、頭目らしき衣装を身にまとった人が彫られ、頭のあたりに「アブルガン タカナオ ラバオソ」という、カタカナが見えました。これは、ルカイ語の発音をカタカナにあてたものでしょうか…?頭目の名前なのでしょうか…。

愛玉でひとやすみ…

「石板巷」には、その独特の家屋を利用した民宿や、食べ物屋さん、お土産屋さんなどが並んでいます。玄関先でカゴをつくっているかわいいおばあちゃんがいました。おばあちゃんは、中国語がわからない様子だったので、ジェスチャーで何となくコミュニケーションをはかりました。

なだらかな坂になっているのですが、運動不足の店長にとってはちょっと辛くなってきたので、「獵王小棧」という愛玉のお店でひと休みすることにしました。「愛玉」とは、台湾でおなじみの黄色いプルプルゼリーの事。愛玉の実の種から子のゼリーがつくられますが、この木は、海抜の高いところに自生しているそうで、山岳部の村などでよく売られています。「獵王小棧」には、ベーシックなレモン味以外にも、シナモン風味やミルクをかけた愛玉があり、バリエーションがいっぱいでした。こちらは、アイストッピング。ボリューム満点ですっかり元気になりました。

…ただ、後で気づいたことなのですが、「獵王小棧」はすごいところに建っています。もし、その事実を先に知っていたならば、たぶんお店のはじっこの方へは行かなかったと思います。(汗)

獵王小棧*屏東縣霧台鄉岩板巷52-44號

魯凱文物館」はというと

「基督長老教会」の近くに「魯凱文物館」という見どころもあり、楽しみにしていたのですが、残念なことに休館していました。ガーン!

魯凱文物館*屏東縣霧台鄉中山巷59號

そこから少し離れた神山部落にも、「神山爆布」という観光名所の滝があるのですが、そちらも現在工事中で、入ることができないとのことでした。

今回、ほんの短い時間でしたが、「霧台」をはじめて訪れてみて、すっかりそのスピリチュアルな世界の虜になってしまいました。なかなか気軽に来れる場所ではないのですが、「魯凱文物館」と「神山爆布」を見れなかったことに、ちょっと悔いが残ったので、また次回リベンジしようと思います。その時は、また書きますね~。

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